うずまさ共生の郷ブログ

2021.08.08

看取りの人(3)

  看取りの方はだんだんと食が細くなります。

通常提供する食事ではなく、ご本人の嗜好品や

食べられるものを食べられるだけ

召し上がっていただきます。

最後、スプーン一口の時もあります。

      

 ある日のことです。

ご家族様がお持ち下さったゼリーを手にして、

職員が○○様を訪ねました。

「○○さん、ご家族さんが、美味しそうな

ゼリーを持ってきてくださいましたよ」

 そうお声がけすると、○○様はベッドの上で、

おもむろに背筋をピンと伸ばされました。

「あら、あなたが召し上がって」

職員はとっさに答えました。

「私ね、これさっきいただいたんです。

美味しかったですよー!」

「え、そーお?」

○○様はそう仰ると、ゼリーをひと口食べられました。

        

 お好きなものは、一口でも二口でも

食べていただきたいと思っています。(no.67)

[うずまさ共生の郷ブログvol.123]

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